なぞなぞ君の気まぐれメモ

この広い世界知らないことばかりなエッセイ

『スギ林はじゃまものか』を読んで 山岡寛人(旬報社)

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以下、メモです。日本の森林面積は国土面積の67%。中南米47.1%、ヨーロッパ30.9%、アジア17.7%、オセアニア10.7%、日本の森林の41%は人工林(スギ、ヒノキ、アカマツクロマツ、カラマツの順)

植物の生態遷移は次のようなモデル。最初に空き地が拓かれると、まず生えてくるのは
一年草(アカザ、ブタクサ、エノコログサ
②越年草(ハルジオン、ヒメジョオン
多年草セイタカアワダチソウ、ススキ)
④低木林(ヌルデ、タラノキクサギ、カラスザンショウ)
アカマツクロマツの林(そこにアカネズミ、リス、カケスなどが出入りして、シイやカシのどんぐりを持ち込む)
クヌギ、コナラの林
⑦極相林(シイ、カシ、タブノキ

かつてスギは有用な建築材だった。江戸の町作りや、頻発する火災の復興のために、スギは欠かせなかった。戦後は、太平洋戦争の戦禍で、家屋の建築が戦後復興の大きな課題だった。戦時中には造船など、軍需用材を求めて、過剰にスギ林を伐採したので、木材は過度に不足していた。

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そこで、国を挙げての植林が始まった。1954年に全国で大規模な植林、さらに1957年に拡大造林計画が立案された。ブナ、カシ、シイ、ナラなどの広葉樹林、雑木林は生産性が低いとされて伐採され、スギ、ヒノキが植栽された。1950年代後半から1960年代前半が最盛期。

スギが伐採できる頃には高度経済成長の最盛期を迎えたが、スギの柱や梁が建物の重さを支える在来の工法(軸組工法)以外にも、戸建ての選択肢が増えた。プレハブや2×4では合板や鉄骨が使われたが、その建材は海外から輸入された。また、鉄筋やコンクリートなどを使った集合住宅も作られるようになった。

さらに建築用の足場も、従来のスギの足場丸太ではなく、鉄パイプが使われるようになった。こうして、スギの需要が急速に減り、スギの価格が暴落。また人件費が高騰し、伐採するほど赤字が増えた。その結果、放置されるスギ林が増えた。

こうして、山地の崩壊、土砂流出、スギ花粉症(受粉を風に任せている風媒花を咲かすスギは、花粉を大量に作らねば子孫を残せない)という結果につながった。

果たして今後の日本の林業の行方は?そして、スギの運命はいかに?

Book Review; "Sugi-bayashi wa jama-mono ka? (Should we look on cryptomeria forest as being a trouble maker?)" Once regarded as an useful architectural material, cryptomerias are left uncared quite a while due to the massive inflow of cheaper imported wood. Now Japanese cedars are viewed as a nuisance, making people suffer from pollen allergies. This book gives you an insight how Japanese cedar has been made much of and its present situation.